公認会計士が法廷に
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なぜ? 公認会計士が法廷に
6月4日11時49分配信 産経新聞
公認会計士の資格を持つ男が、気まぐれで始めた古本屋の経営に行き詰まって違法な本を販売し、法廷に立つことになった。
起訴状によると、被告は平成20年4月3日、東京都内の自宅で、記録したDVD計33枚を販売する目的で所持したとされ、罪状認否で起訴事実を認めた。
検察側の証拠によると、被告は一流私大を卒業後、公認会計士の資格を取得した。しかし、偶然立ち寄った古本屋を懐かしく思い、こちらの方が面白いと、古本屋の経営を始めた。売り上げは月に約100万円。そのうち1割の10万円が売り上げだった。
情状証人として、被告の知人の会計士の男性と、被告の妻の2人が証言台に立った。
弁護人「被告が公認会計士に登録した場合、業務上手伝えることはある?」
知人「仕事の面倒をみたい。税務の方は古本屋の同業者がいるのでそこで開拓してはどうか」
弁護人「昭和60年に資格を取って、だいぶん時間がたっているが、やっていけますかね?」
知人「若いころ○○(専門学校の名前)で先生をやっていて、かなり能力はあると思う。彼の能力があればブランクを取り戻せる」
被告人質問で黒っぽいスーツ姿の被告は弱々しい声で証言した。
弁護人「古本屋に見切りをつけようとしていた?」
被告「はい」
弁護人「どう頑張っても漫画がメーンでは収益が上がらない?」
被告「そうです」
一方、検察官は被告に根源的な質問をぶつけた。
検察官「なぜ児童ポルノが処罰されるか分かる?」
被告「(被害児童が)映像が出回っていると知ったら不安と恐怖におびえて生きなければならない」
検察官「裸の映像をばらまかれる前提として、乱暴されている。それに匹敵する犯罪ですよ?」
被告「そうかもしれません」
検察官「そうかもしれませんじゃなくてね。そんな認識?」
被告「…」
検察官「心が痛まなかった?」
被告「痛みました」
検察官「じゃあ、なぜ売り続けるの?」
被告「そこは一番反省しています」
検察官「子供より金を優先させた。そうでしょ?」
被告「はい」
被告は型通りの反省の弁を述べたが、検察官の厳しい追及によって、金銭目的だったことが誰の目にも明らかになった。
検察側は「自己の経営する会社の売り上げのために、もうかるからと禁制品を販売した動機にくむべき事情は皆無」として懲役2年6月、罰金50万円を求刑した。
弁護側は最終弁論で「本人は不法事業はペイしないと分かっており、決別するように準備していた。再犯の可能性はない」と訴えた。
個人の生き方の問題だが、公認会計士という難関の資格を取ったのに、なぜ会計士として働かずに古本屋を経営していたのか疑問だった。そういう生き方をしていなければ、今回のような事件を起こすこともなかっただろう。欠格期間が過ぎた後は、公認会計士として社会に貢献してほしい。
判決は17日に言い渡される。(末崎光喜)
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